写真

5インチ液晶フィルムスキャナー KFS-14WS


フィルムカメラで撮影したフィルム写真のスキャンをするために『フィルムスキャナー KFS-14WS(ケンコー・トキナー)』を購入したので、使い勝手や操作感、スキャン画質などについてレビューします。



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メーカーの商品ページより商品解説

フィルムを手で直接差し込むから速い!大型液晶を採用した1400万画素フィルムスキャナー。
5インチ液晶フィルムスキャナー KFS-14WS


フィルムを手で直接差し込むことで、手間なくフィルムをスキャンできる画期的なスキャナーです。3種類のフィルム(35mm/110/126フィルム)を1台のスキャナーでデータ化できます。パソコンを使わず簡単操作で直接SDHCカードに画像データを保存できます。液晶が大きいのでデジタルフォトフレームとしても使えます。
フィルムをデータ化してパソコンに保存しておけば、いつでも気軽に見ることができます。データ化すれば、ご家庭のプリンターで印刷したり、WEB上にアップしてたくさんの方に見てもらうことができます。

希望小売価格:オープン
[2019年11月15日発売]

仕様


イメージセンサー 1400万画素 1/2.33型 CMOS
有効画素数 1240万画素(35mmフィルム)
焦点距離 f=5.1mm
液晶モニター 5インチ IPS (960×540ピクセル)
内蔵メモリー ユーザー使用領域はありません
外部メモリーカード SDHCメモリーカード :4GB〜32GB(別売)
露出補正 9段階
スキャン解像度 3200dpi
スキャン時間 ネガ・ポジ・B / W フィルム(14MB):約2秒ネガ・ポジ・B / W フィルム(22MB):約3秒
画像形式 JPEG
対応フィルム ・35mm (カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム)
・110 (カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム)
・126 (カラーネガフィルム、カラーリバーサルフィルム、白黒ネガフィルム)
スキャンエリア 35mm:約21×32.5mm110:約11.5×15.5mm126:約25×25mm
光源 白色LEDバックライト×3個
出入力ポート USB 2.0
電源 ACアダプター、USBバスパワー
定格電圧 DC5V
定格電流 1A
寸法 約136(W)×124(D)×95(H)mm
質量 約305g(付属品を含まず)
同梱品 本体、ACアダプター、USB-PC接続ケーブル、HDMI接続ケーブル、マウント用ホルダー、
35mmフィルム用アタッチメント、126フィルム用アタッチメント、110フィルム用アタッチメント、
清掃用ブラシ、手袋、取扱説明書
JANコード 4961607439395


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開封〜セッティング



箱(サイド)


箱(サイド)


開封。マニュアル。


開封。本体やホルダーなど。


開封。同梱品一式。手袋と清掃用ブラシが付属している点は細やかな気遣いを感じられて素晴らしい。


セッティング


電源を接続して電源オン。これがホーム画面。


本体の裏側。電源コード(USB-C・5V1A)の接続。スキャンした画像を保存するSDカードを挿入。HDMIケーブルが付属していて、テレビなどと繋ぐとフィルムをリアルタイムで映すことができる。


日付と時間設定。ボタンを長押ししても数字が早く回らない仕様(悲)。時間や日付によってはボタンを連打することになる。


購入動機

フィルムスキャンをどうするか問題

フィルムカメラで撮影する人にとって『(デジタル)フィルムスキャンをどうするか』は大きな問題です。

現状、フィルムをスキャンしてデジタルデータにする方法は以下が一般的です。
1:近隣のカメラのキタムラなどのお店に頼む
2:ウェブでスキャン業者に依頼
3:フィルムスキャナー(大型のフラットヘッド)を買う
4:フィルムスキャナー(中型のフィルム専門機・Plustek8200i Ai など)を買う
5:フィルムスキャナー(小型の手軽機)を買う
6:マクロレンズ + デジタル一眼レフにフィルムデジタイズアダプターを接続してデジタル撮影〜ソフト補正
7:カメラのキタムラなどのお店で紙にプリントして、普通のスキャナーでスキャンする
8:あきらめて紙プリントだけ楽しむ or 放置する


これ!といったベストな解決方法はなく、人によって選択は様々なようです。


1の『近隣のカメラのキタムラなどのお店に頼む』ですが、私の場合はカメラのキタムラが近くにあるのでよく利用するのですが、
・やや高い(毎回依頼すると)
・解像度が低い(長辺1800px程度)
・画質が好みじゃない可能性

という問題があります。
価格が少々高くても解像度が高ければ大満足なのですが(画質が好みじゃなくてもLightroomやPhotoshopなどで補正もできる)、長辺で1800px程度のjpgデータではなかなか厳しいものがあります。

1〜2の専門店やウェブで見つかる業者さんに依頼する方法は、長期的にみて料金がバカにならないのと画質の問題、ウェブで注文する業者さんの場合は時間もけっこう掛かる、といった点でなかなか満足しがたいところがあります。

3〜5に関しては、なかなかいい機材(スキャナー)がないのが難しいところです。
ホコリがつく問題、キレイにスキャンする労力や手間、スキャン時間の長さ、などどの機材を選んでも苦労が絶えません。

6のフィルムデジタイズアダプターでのスキャン(というか撮影)は良さげなのですが、良いマクロレンズを持っていないことと撮影後に画像の反転処理などの面倒さがあり、今回は選択しませんでした。

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結局、小型のフィルムスキャナー『KFS-14WS』に行きついたわけですが、
・手ごろな価格
・2019年発売なので新しい(仕様が古くない)
・小さめのサイズ
・モニターが大きめ
・スキャンが速い
・セッティングの手軽さ
・解像度の高さ

といった理由からの選択となりました。


本体とフィルムホルダー。このサイズは手ごろで嬉しい。操作ボタンもシンプル。



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実際にスキャンしてみた


フィルムの種類を選択。35mmフィルムは『135』を選択。


フィルムをセットして『OKボタン』を押すだけでスキャン開始。1〜2秒程度のあっという間にスキャン完了。


フィルムをホルダーにセット


フィルムサイズごとのアタッチメントが用意されているので、ホルダーにアタッチメントをセットしたあとでフィルムをはさみこみます。。


フィルムをセットした様子


いちばん左の『R/ゴミ箱』ボタンで解像度の変更。画面の右側に『14M(低解像度)』『22M(高解像度)』と解像度が表示される。


画像はSDカードに保存(容量は32GBまで)。パソコンに直接読み込むわけではない。


さて実際にスキャンしてみました。

操作はめちゃくちゃシンプルです。
1:電源オン〜スキャンを選択〜ネガやポジの選択〜フィルムサイズの選択
2:フィルムをホルダーにセットして本体に差し込む
3:位置を調整
4:スキャンボタンを押してスキャン

↑これだけです。

スキャンのセッティング(調整)もできますが
・解像度
・露出
・RGB調整

と、こちらもシンプルです。

公式のYouTube動画では
『ホルダーにセットしなくても、フィルムをそのまま本体に差し込んでスキャン可能』
と解説されている場面がありますが、たしかにホルダーなしでもスキャンできました。
そのくらい、かなり手軽です。
※ただし位置がずれやすい・フィルムが歪みやすいのでホルダーを使った方がよいと感じました

実際に利用して感じた長所と短所

長所

  • 手軽な本体サイズ
  • 本体セッティングの手軽さ
  • 手袋がついていたり、付属品が充実
  • シンプルな操作
  • フィルムセットが簡単
  • スキャンがとにかく速い
  • SDカードにjpg保存なので手軽(直接パソコンに読み込むわけではないのでデメリットでもある)
  • 解像度が高い
  • 外部モニター接続可能
  • SDカードに取り込んだ写真を本体ディスプレイでスライドショー表示できる(デジタルフォトフレーム的な利用が可能)

短所

  • 画質がイマイチ(荒い)
  • 高解像度スキャンも可能だが画質がイマイチなままサイズが大きくなるだけ
  • 光源ムラがある
  • 35mmフィルム全体をスキャンできずトリミングされてしまう
  • SDカード保存なのでパソコンに直接読み込めない


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長所はとにかく手頃であることとスキャンが速い点に尽きます。

本体サイズの小ささや、スキャンをするまでの手間の掛からなさはすばらしいです。
操作系のシンプルさもあり、手軽さは文句なしといったところ。

購入する前に『スキャンが速い』とのレビューを見てはいたものの、実際に使用して1〜2秒程度でスキャンできるのは驚きでした。

SDカードへの保存については、パソコンに直接読み込めない不便さはあるものの、手軽で良いと感じました。
(パソコンがない場所でもスキャンできるのはメリットです。)

メーカーによるとSDカードの容量は32GBまでとのこと。
スキャンはjpg形式のみで、高解像度設定で一枚あたりおよそ3〜5MB程度。
この機種でスキャン用途では十分な容量です。

フィルムの種類は、ネガフィルムだけでなくポジ、白黒にも対応しています。
サイズも135、110、126と3種類から選ぶことができます。


短所は手軽な反面、画質が荒いこと。

この手軽さで画質もキレイだったら完璧だったのですが残念。
今後、このフィルム写真の分野が大きく開拓・発展されていく可能性は見込めないため、改善は難しいかもしれません。

スキャン範囲(スキャン画角)が若干狭く、35mmフィルムの撮影面全体をスキャンできない → 少しトリミングされてしまうのも残念な点です。
逆に考えれば、スキャン後にPhotoshopなどでトリミングをしなくても良い(手間がかからない)ので便利とも言えますが(メーカーはそちらを優先したのでしょう)、個人的にはもう少し広めに取り込めたら嬉しかったです。

スキャン時の注意点をいくつか

  • ホコリに注意
  • フィルムは適切にセットする
  • 手ブレするので、スキャン時に本体やフィルムに触らない

フィルムスキャン時にホコリは大敵です。

フィルムにホコリがつきやすいので要注意!なのは言わずもがなですが、KFS-14WS本体の内部に入ってしまうことがあります。

これはフィルムをセットする挿入口からホコリが入ってしまうためですが、本体に入ってしまうとなかなか取り出しづらい(排出しづらい)ため、注意が必要です。

本体にホコリが入り込んだら
・フィルムセット口からブロワーで軽く吹いてあげる
・掃除用ブラシで内部を拭く

といった方法で対処しましょう。

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スキャン時の手ブレも要注意です。

手軽さゆえにどんどんスキャンできてしまうのですが、作業が早くなるほど手ブレが起きやすいです。

取り込んだ写真をパソコンで見て
『あれ!?この写真ってこんなに手振れしてたかな?』
『ネガフィルムではピントが合ってたはずなのにピントが合ってない???』

と思うことがありますが、ほぼ作業時(スキャン時)の手ブレが原因です。

スキャンの最中にフィルムや本体に触れることで手ブレ画像になってしまうのですが、なかなか作業中に気付きづらく、パソコンの画面で見て発覚します。

スキャンは冷静に落ち着いて行いましょう。



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お店スキャンとの画質比較

お店(カメラのキタムラ)でスキャンした写真との比較です。


お店でスキャンした写真


KFS-14WSでスキャンした写真


お店でスキャンした写真


KFS-14WSでスキャンした写真


お店でスキャンした写真


KFS-14WSでスキャンした写真


比べてみると、お店でスキャン〜デジタルデータ化した写真の方が解像度が高く(隅々までキレイに読み取られている)、KFS-14WSの方が荒い画質なのがわかります。
またKFS-14WSでスキャンした写真は光源ムラがあり、画質が安定していません。

【調整・レタッチ】
KFS-14WSでスキャンした写真はLightroomで調整を行っていますが、お店でスキャンした画像はまったく調整をしていません。

KFS-14WSの画像は荒いものの、ファイルサイズが大きく、あまり圧縮もされていないのでスキャン後に調整可能なところはメリットです。
ただし、もともとのスキャンしたデータが荒い画像のため、調整・レタッチで完璧に補えるわけではありません。

一方、お店(キタムラ)でスキャンした写真はサイズが小さく、圧縮もかかっているため、微調整は可能ですが大きな画質調整は難しいです。
※お店や業者によっては高解像度でキレイにデジタル化してくれるところもあります。



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KFS-14WSでスキャンした写真いろいろ

KFS-14WSでスキャンした写真です。

カメラ:Nikon F100
レンズ:35mm F1.4 DG HSM
フィルム:いろいろ

写真はすべてスキャン後にLightroomで画質調整をしています。









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【追記】フィルムスキャナー『OpticFilm 8100』との比較


Plustek 『OpticFilm 8100』


結局、画質に満足がいかず Plustek の『OpticFilm 8100』というフィルムスキャナーも入手しました。

以下『OpticFilm 8100』との画質比較です。
『OpticFilm 8100』のスキャン画質は『最高(7200ppi)』ではなく『中程度(2400ppi)』です。

※写真をクリックすると拡大できます


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


KFS-14WS


Plustek 『OpticFilm 8100』


画質に関してはPlustek 『OpticFilm 8100』の圧勝でした。

OpticFilm 8100は SilverFast8 という非常に優秀なフィルムスキャンソフトが付属していることもあり、かなり高画質でスキャンが可能です。
ただしプレスキャンが必要、さらにプレスキャン後の本スキャンで1枚あたりのスキャン時間が KFS-14WS よりも長いです。
※ KFS-14WS は1〜2秒。OpticFilm 8100は1〜2分程度(最高画質にすると5分程度)

画質をとるか、手軽さとスピードをとるか、の選択になります。



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まとめ

手軽にすばやくフィルムスキャンをするには◎

スキャンの速さや手間の掛からなさ、サイズの手頃さの点から、気軽にスキャンして楽しむ用途では良いフィルムスキャナーです。

フィルムをサッとデジタルデータ化して観賞などで楽しむなら便利な機材だと感じます。


画質面については、お店でのスキャンデータとの比較や実際に使用してみた結果、高画質を求めるとなると完璧に満足する結果にはいかず、妥協をしなければならないようです。

私はデザイナーでデザイン業務を行うため、KFS-14WSで仕事にも使えるスキャンができれば良いな、と考えていましたが厳しい印象でした。
KFS-14WSでざっくりスキャンして、良く撮れた写真や本格的に使用したい写真を選定し、選定した写真のみ時間を掛けて他の方法(高画質スキャンや専門店への依頼など)でデジタルデータ化するのがベストかなと考えています。


【追記】
Plustek 『OpticFilm 8100』がとても満足のいく画質だったので、KFS-14WSとうまく組み合わせて活用できそうです。



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ケンコー 5インチ液晶フィルムスキャナー KFS-14WS

イメージセンサー:1400万画素 1/2.33型 CMOS
有効画素数:1240万画素(35mmフィルム)
焦点距離:f=5.1mm
液晶モニター:5インチ IPS (960×540ピクセル)
内蔵メモリー:ユーザー使用領域はありません


Transcend SDカード 32GB UHS-I Class10 (最大転送速度95MB/s) 5年保証

カードタイプ : 3D TLC SDHC : CLASS10 UHS-I U1
転送速度 : 読出し最大95MB/s
転送速度はホストのハードウェア、ソフトウェア、使用方法等によって異なる場合があります。
動作温度 : -25℃~85℃ : 耐温度、防水、耐磁、耐X線、静電耐性


Plustek OpticFilm 8100 フィルムスキャナー

高解像度 7200 dpi(最大設定解像度です。解像度の数値は光学的な意味合いでの表記であり、ご利用者の主観による美しさ等を保証する値ではございません)。35mmフィルム(ネガ/ポジ,スキャン切替えはソフトSilverFast上で変更します)やスライドフォルダーの読取りに対応(ブローニーは非対応)。複数回 読取り機能 Plustek Multi-Sampling。光源には環境に優しい“白色LED”を採用。
PCとUSB接続して使用します。スキャナー単独ではご利用いただけません。スキャニングソフト「SilverFast」は本バージョンVer.8から日本語表記対応になりました。


Plustek OpticFilm 8200i Ai フィルムスキャナー

【赤外線でゴミ・傷を検知〜補修がついたOpticFilm 8100の上位機種】
高画質を求めるハイエイド向け35mmフィルムスキャナー(パソコン環境が必要です)

最大で7200x7200dpiの高解像度スキャンが可能。48ビットカラー入出力により高画質を実現。
赤外線チャンネル(ハードウェア)による、ゴミ・傷を検知、ソフトウェアによる補修機能「iSRD」対応
バンドルソフト:SilverFastAiStudio8(日本語表記対応)
付属のカラーキャリブレーション用スライドIT8で色調管理が可能。


カムフリックス フィルムデジタイズアダプター 中望遠マクロレンズ用 対応フィルム35mm FDA-135L

35mm判フィルムをホルダーに固定し撮影することで、手軽にフィルムをデジタルデータ化できるアダプターです。
■径:75mm 長さ:130-180mm ■対応レンズ径:62mm ※ご使用するレンズのフィルター径が合わない場合、市販のフィルター径変換(ステップアップ・ステップダウン)リングを使用し、装着してください。
推奨レンズ:中望遠マクロレンズ ・SONY FE 90mm F2.8 Macro G OSS SEL90M28G ・TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD ・CANON EF100mm F2.8L MACRO IS USM ・NIKON AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED


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