【“映画風”写真色調加工】デジタルカメラで撮った写真をシネマティックなフィルム風に加工する方法

ハリウッドや海外の映画でよく見かけるカラーグレーディング手法

ハリウッド映画など、海外の映画を観ると特徴的な色調加工が施されていることに気付きます。
“カラーグレーディング”と呼ばれる色調加工です。

最近では映画に限らずテレビやYouTubeでアップされる一般的動画など、多くの映像で“カラーグレーディング”作業が行われ、映像がより魅力的に見えるように加工・工夫されています。

カラー・コレクション(カラーグレーディング)

カラーコレクション(Color Correction、カラコレ)とは、映画などの映像作品において、映像の色彩を補正する作業である。フィルム時代には、原版のフィルムに切れ込みを入れそのタイミングにあわせてフィルタを入れ替えることによって実現していたため、「タイミング」とも呼ぶ。

作品全体を通してのトーンを決めたり、前後のカットの色味を合わせたりする。また、1カットを合成する際、それぞれの素材の色味を統一させることもカラーコレクションと呼ぶ。昼間撮影したシーンを夕暮れ時のように見せかけることもできる。

この作業を専門に行うオペレーターは「カラリスト」と呼ばれる。(表記は「カラリスト」であるが、発音は「カラーリスト」という場合が多い)また、色変更を専門に行う機械のことをカラーコレクタという。

近年は映像制作のデジタルにともない、デジタルで撮影した映像をクリエイターが意図的にフィルム調の色合いや24fpsのフレームレートに改めるなど、単なる「補正(コレクション)」の範疇を超える処理が一般的に行なわれるようになった。そのため、それら様々な色調調整を総称して カラーグレーディング (Color grading) と言うことが多くなった。しかし日本においては、それらも含めてカラーコレクション(カラコレ)と呼ばれることがある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

【カラグレ前】Mission: Impossible - Ghost Protocol


【カラグレ(オレンジ & ティール)後】Mission: Impossible - Ghost Protocol

写真を海外の映画風に色調加工

海外の映画でよく使われる色調補正は『オレンジ & ティール(Orange and Teal)』と呼ばれる加工です。

↑上にあげたミッションインポッシブルのワンシーンも『オレンジ & ティール』と呼ばれる典型的な色調補正が掛かっています。

【オレンジ & ティールとは?】
人物の肌のオレンジと、それを引き立たせる緑青色の背景を組み合わせる配色のテクニック。
オレンジとブルーは色相環で正反対の位置にあり、補色の関係にある。
補色による配色はコントラストが最も強く出るため、人間(俳優や女優)の肌の色をオレンジ系でカラーグレーディングし、背景をブルー系にすることで鮮やかな配色を表現する。

──────────────────

映画以外でもよく見る『オレンジ & ティール』風の色調加工

海外では『オレンジ & ティール(Orange and Teal)』っぽい色調は映画だけでなく、写真や雑誌、その他出版物でよく見かけます。
つまり、海外では何かと多用される色調というわけです。


今回はデジカメで撮影した写真を映画風に加工する方法を紹介します。

『オレンジ & ティール』色調で写真を加工

※写真はすべて自分で撮影したものを使用しています。


加工前(撮影したままの写真)


加工後。この色調は本当によく見かけます。被写体がたまたまカボチャだったので、まさに『オレンジ & ティール』でオレンジが引き立つ色合いになりました。


加工前(撮影したままの写真)


加工後。赤寄り(レッドシェイド)のブルーが緑寄り(グリーンシェイド)の水色に変化するのが特徴です。やりすぎ注意。


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


『オレンジ & ティール』っぽい加工の手順とポイント


  • まずはホワイトバランスを整える
  • シャドウ(写真の暗い部分)を青系に寄せる
  • ミドル(写真の中間色部分)をオレンジ系に寄せる
  • 【カラー補正】グリーンを青系に
  • 【カラー補正】ブルーを赤系ブルーではなくグリーン系ブルーに
  • 【カラー補正】オレンジの彩度を上げる
  • その他、好みに合わせて調整

LightroomやPhotoshopを使用する場合


トーンカーブ例。このようにすることでアナログでマットな感じを出すことができます。


グリーンをブルー寄りに。この処理で緑の印象はかなり変化します。彩度は(調整しつつ)下げた方が自然になります。※グリーンがイエローに寄るとジメジメした印象になりやすいです。


ブルーの色調を変更。これでブルーが水色に変化します。やりすぎると不自然になるので、色相と彩度を調整しつつ設定します。


明暗別色調補正でシャドウをブルー系に。ハイライトは変更しません。

───────────────────────


『オレンジ & ティール』以外の色調で写真を加工


映画では『オレンジ & ティール』以外の色調も使用されます。

『オレンジ & ティール』以外の色調で写真を加工した例を紹介します。
加工の大きなポイントはシャドウのカラーをブルーではなく別の色に寄せることです。

その他、カラー毎の彩度調整やコントラストなどを調整することで写真の雰囲気を大きく変えることができます。

古い映画の映像のように加工したい場合には、フィルム感を表現する手段として粒子(ノイズ)を追加するとザラついたアナログっぽさを演出することができます。
粒子(ノイズ)は
・大きめ
・荒め

がポイントです。
※細かくて均等な粒子を追加するとアナログっぽさよりもノイズ感が強くなります。


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Stand by Me (1986)


加工前(撮影したままの写真)


加工後。(どんなカメラで撮っても)デフォルトだとグリーンが黄色っぽすぎるため、基本的にすべて色調加工でブルー側に変化させます。


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Midnight in Paris (2011)


加工前(撮影したままの写真)


加工後。シャドウを茶系に。けっこう大胆に変化させています。ハイライトも黄色系に補正しています。


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Midnight in Paris (2011)


加工前(撮影したままの写真)


加工後。こちらもシャドウの補正に加えて、ハイライトもノーマルの白から黄色系へ補正。


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Stand by Me (1986)


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Nuovo Cinema Paradiso(1988)


加工前(撮影したままの写真)


加工後。彩度が低めのハイキー。


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


The Godfather: Part II (1974)


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後。ただの町の風景なのにマフィアが出てきそうな雰囲気に。


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Nuovo Cinema Paradiso(1988)


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


Leon: The Professional (1994)


加工前(撮影したままの写真)


加工後


加工前(撮影したままの写真)


加工後


参考にしたカラーグレーディング(色調)


The Godfather(1972)


加工前(撮影したままの写真)


加工後。ゴッドファーザー風に補正すると、なぜかマフィアが出てきそうな風景に…。


加工前(撮影したままの写真)


加工後


↓こちらの記事もどうぞ


デジタル一眼レフカメラで撮った写真をアナログフィルム風に加工する方法


デジタル一眼レフカメラで撮った写真をアナログフィルム風に加工する方法

オススメの写真技術関連ブック


フィルムカメラ・ライフ 2018-2019 (玄光社MOOK)

「フィルムカメラ・ライフ」の第2弾が2018-2019の年度版として登場!
今号は「日常にフィルムカメラがある生活」をテーマに大特集。人気モデル菅沼ゆりのによるハワイとロンドンのフィルム作品、石井正則による日付入り写真のススメ、写真家・濱田英明がinstaxSQUARE SQ6で撮る唐田えりか、中判フィルムカメラの魅力やカメラの王様ライカの魅力と使い方をはじめ、ポパイカメラによるBOOK IN BOOK企画「プリント提案2018-2019」では最新のカラープリントを提案するなど、フィルムカメラに関する魅力的な情報を満載した。


フィルムカメラの撮り方BOOK (玄光社MOOK)

いますぐ35mmフィルムカメラがはじめられる!

【内容紹介】
フィルムならではの優しい描写や、プリントという「物」が手元に残ること、
撮ってすぐに見ることはできませんが、大切な1枚をじっくり作っていくことなど、
フィルム写真にはデジタルにはない魅力がたくさん詰まっています。
この本は、フィルムで撮ることが特別なことになったいま、フィルム写真に心を
奪われた方々に向けて、35mmフィルムカメラの使い方、フィルムの基本、
プリントにこだわる楽しさなどをお伝えします。周囲にフィルム写真を教えて
くれる人がいなくても、この本を見ればフィルム写真をすぐにはじめることができる1冊です。


フィルムカメラの楽しみ方 -カメラの知識、撮影から現像・引き伸ばしまで-


やっぱり大好き! フィルムカメラ

有名なフォトグラファーが、まだまだフィルムカメラのいいところを生かして作品や仕事に使用していることをご存知でしたか?
フィルムから作ったプリント(紙焼き)が表現するあたたかさ、階調のよさ。
本書は有名フォトグラファーにフィルムカメラでの作品についてインタビューするとともに、35mmフィルムカメラ、二眼レフ、中判、大判のカメラの使い方、現像・プリントのしかたについてレクチャーします。
みなさんもこの本をお読みになって、フィルムカメラをぜひ使ってみてください。
なお、本書はカバー写真をはじめ多くの写真が実際にフィルムカメラで撮影したプリントを使用しています。


RSS 2.0 Login